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スタッフのコラム

スタッフのコラム vol.19

すべては小さな感動から
2017年01月27日 更新

ディレクターをしていると、日々新たな出会いの連続。そこで得た感動や発見が番組につながることは多々。2016年、印象的だった出会いをお伝えします。

深夜1時、ボロボロの赤提灯

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そんな私が今年担当したのは新規開発の番組「夜さんぽ」。フォーマットはもちろんなし。どんな番組になるのか、まさに未知数。とにかくロケハンのため、夜10時から朝5時まで恵比寿の街をあてもなくブラブラする日々が続いていた。

なんだかなあ、、、行き詰まっていたある日のこと。深夜1時、ボロボロの赤提灯をぶら下げたカウンターのみの居酒屋お客さんが数人。なんだか気になり、建てつけの悪い引き戸をあけると、へべれけのお客さん2人と店主も飲みつつ楽しく語り合っているではないか。閉店時間は過ぎていたが「1杯ならいいよ」と店主。自分でボトルから好きな量の焼酎を注ぐセルフサービス方式。腰をかけたが最後、酔っ払いのおじさんたちに囲まれ飲み語ること3時間。そこで教えてもらったのは、この小さな居酒屋は戦後にあるおばあさんが始めたということ。おばあさん亡きあと常連さんが引き継ぎ守り続けているということ。

酔っ払っていたけど、「オシャレタウン恵比寿にこんなあたたかい店があるのか」と小さな感動を覚えた私。そんな話から番組の骨格が少しづつできていったのであります。

気球を愛する笑顔ゼロのお父さん

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10月末~11月上旬に行われた熱気球世界選手権。選手が熱気球を操作し、地上の定められたポイントにマーカーを投下するというスポーツ競技なのですが……そもそも「熱気球?浮いてるやつでしょ?」くらいの知識しかなかった私。大会を番組にするため事前に向かったのは、注目若手選手の練習場所。でも大会前のシビアな状況でもあり、一緒に練習に挑むお父様は全然笑顔見せないし、無口そうだし、大丈夫かな?とドキドキ。

上空を飛ぶ気球を車で追いかけ、ポイント地点にて撮影開始。上空500mくらいのところにいる気球を無言で見守るお父様、質問するにもしづらい険しい顔。うーん、、、と思っていると、気球がだんだんとこっちに近づいてくる。さらに急降下開始。下からみていて気球がどんどん大きくなる。と、次の瞬間。気球からひらひらとマーカーと呼ばれるものが落ちてきた。ポイントからわずか20センチほどの場所にポトリ。

思わず声が出てしまった、「すげーーーーーー!!!」

なんで?あんなに上空にいたのにこんなにピタリと寄せてこれるの?スゴイ!すると笑顔なしだったお父様も「しびれたーーー!」と大興奮!その時に思った、「この親子がこんなにも興奮するスポーツもっと知りたい!もっと多くの人に伝えたい!きっとおもしろい番組にできるはず!!」このときの小さな感動から、大きな番組へと繋がっていったのです。

「おもしろきことなき世をおもしろく」

これは私が学生時代に出会った恩師がよく言っていた言葉。ディレクターの仕事はいかに「おもしろくなさそうなことをおもしろくできるか」だと思います。そのために必要なのは「小さな感動」をキャッチする感性。これは自分にしか磨けない。すべては小さな感動からはじまる。曇りなき感性を生涯持ち続けたいものです。

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ディレクター
平岡 雅子 Masako Hiraoka (2008年入社)
<主な担当番組>
  • NHK-BSプレミアム「ニッポンぶらり鉄道旅」
  • NHK-BSプレミアム「夜さんぽ~恵比寿編~」
  • NHK-BS1スペシャル「勝利は風に聞け 2016熱気球世界選手権」
  • NHK 東日本震災プロジェクト「明日へ つなげよう『未来への手紙2016~あれから5年がたちました~』」
  • 日本テレビ 「かぞくムービーAWARD2016」

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