ドキュメンタリー・情報番組を中心に

株式会社クリエイティブネクサス

株式会社 クリエイティブ ネクサス

映画・ドラマも手がける映像プロダクション

ドキュメンタリー・情報番組を中心に映画・ドラマも手がけます

  • 小林ディレクター

映画監督デビューを果たしたテレビマン 入社12年目 小林D

クリエイティブネクサスはTV番組制作がメインの会社で、映画を作ったのは今回が初めてですがきっかけは何だったんでしょうか?

「くも漫。」は最初、NHKの企画募集に出しました。なぜかは分からないけれど見事に落選しまして(笑)その1年後ぐらいにATP(一般社団法人 全日本テレビ番組製作社連盟)の「若手映画プロジェクト」という企画募集があったので、なんとか映像化したいと思って、出してみたんです。

なぜ「くも漫。」という原作を映像化したいと思ったんですか?

原作者・中川学さんの「僕にはまだ友達がいない」のコミックエッセイを1度ドラマでやらせてもらっていたから、すごいシンパシーを感じていたんです。「くも漫。」は彼の「恥」の部分というか、よくこんなのを書いたなっていう作品だったので、web連載で第2話を読んだときに、すぐに「これ、やらせてもらいたい」と打診しました。それで1年以上経ってから企画を出せる場所が見つかって、通ったんです。

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制作費のほとんどが自社負担。会社としても挑戦だったと思いますがどうですか?

この企画募集があったときに、会社の代表が「ATPの支援金は100万円ですが、企画が通った場合、会社として出資します」というメールを全社員にくれて。それまでドキュメンタリー映画作品しかない企画募集だったんですけど、「会社の出資があれば、劇映画が出来るかもしれない」っていう。挑戦する気持ちになりました。
実際9割以上会社で制作費を出してくれて、それは本当に感謝しているというか。自分の友人や知人に、「よく映画監督デビュー出来たね」なんて言われますが、「うちの会社が制作費を捻出してくれた。」って話をすると、「会社が一社員の企画に投資してくれるのはなかなか無いよね」って言われますね。

クリエイティブネクサスは、映画やドラマはこれまでほとんど作ってこなかったと思いますが、その分野に代表が出資してくれたっていうのはどうでした?

代表とか上司はそれを楽しんでいるところがありますね。僕がドラマをやりたいと思ったきっかけをくれたのは、僕の上司のプロデューサーなんです。彼はうちの会社で初めてドラマを演出をしたんですけど、新しいことにチャレンジすることがいかに仕事として充実しているか、っていう話をすごくしてくれた。自分も挑戦してみたいって気持ちになりました。

新しいことに挑戦するという社風があるんですかね?

会社として「企画を出そう。企画を出さないとディレクターとして、与えられた仕事だけで終わっちゃうから面白くないよ。」というのはみんな感じていると思うし、レギュラー番組の仕事で時間の無い中、みんな企画書を書いてますね。

実際に映画を作ってみて、TV制作に対する自分の中の姿勢の変化ってありましたか?

映画をやってみて作品が持つ本質をかなり考えるようになったなぁと思います。とにかく原作を読み込むということが監督の仕事。どう解釈して映像に落とし込むのか、じゃあどういう映像表現をするのか、というのをすごく考えました。テレビの場合だと取材相手が素材になるので、彼らの話のどこが本質なのかを今まで以上に考えるようになったと思います。

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映画の中で一番印象に残っているシーンってどこですか?

主人公がオトナのお店で倒れたことを親戚中に責められて、最終的には一番知られたくなかった母親にもばれてしまうんです。その後に主人公が母親と対面するシーンがあるんですね。そこで息子と母親がちゃんと向き合ったな、って思う関係性の瞬間があって、そのシーンの脳さんの表情が結構印象に残っています。あまり言葉は交わさないんですけど、役柄的にも成長がわかる場面で、「役者・脳みそ夫が中川学になったな」と思えたんです。 「あ、この人を主演にして良かったな」と思った瞬間。なんとも言えない表情なんですよね。僕はそこの表情が印象に残りました。

振り返ってみて映画作りは楽しかった?

楽しいかどうか、というと大変なことがいっぱいあったし、本当は正直言うと、もっともっと沢山の人に見て欲しいから納得できていない部分もあります。けど、テレビ作りだけじゃ経験できないことも多くて。というのは、原作者のお母さんから手紙をもらって「息子がすごく救われた」って言ってもらったり、大阪での上映では広島からわざわざ3時間かけて「くも膜下出血になったことがあって」という人が来てくれたとか、やらなきゃ分からない世界がいくつか見えた、それはすごい良かった、ただ、結果として満足していない部分が大きいです。

それはどういうこと?

見てもらえてない、売れてないというところ。ここはやっぱりせっかく会社でお金を出してやっているわけだから、ちゃんと売上に貢献したいなって思いますよね。どこかで僕が満足しているだけで終わっているのかなーってちょっと不安になったりすることがあったりして。

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また映画を撮ってみたい?

撮ってみたいですね。

今、本屋さんとかでこれ原作になるな、って見たりしているんですか?

あえてそういうことはしないですね。もちろん本屋とか行くんだけど「面白そう」って思ったら読んでみて、「映像化したい」って思ったら企画を出す。自分の企画を出したいと思う時って、探してというよりも面白いものに出会えたときですね。

今後、新入社員を募集していくんですけど、どんな人と一緒に仕事をしたいですか?

辞めない人。どの時代にもいるんでしょうけど、環境が合わないとかやりたいことが出来ないとか言って辞めちゃう人がわりといる。それ、事前に考えられたことだったんじゃないかなって思うんです。
僕、プロスポーツ選手で考えることが多いんだけど、長く続けている人って結果を出しているし、結果を出すから長く続けられる。そもそも目指すべきものがあって、それに伴う苦労を乗り越えていくと決めて、プロでやっていくと決めたと思うんです。でも、求められなければ戦力外通告されちゃうような世界がプロスポーツという仕事にはある。
僕もプロになって活躍したいという気持ちでクリエイティブネクサスに入社したつもりです。最初の試験の時にそんな話をした記憶があるんだけど、入社したら「ここでなんかやってやろう」とか「なんか残してやろう」って思うのが普通じゃないかなって。だから入社したら「何か自分が納得できるものを残せるまで辞めない」って決めるのが大事じゃないかなって思います。今の時代には合っていないのかな?分かんないけど(笑)

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